ルーツを探ると、2つの料理が歩んできた歴史的背景の違いが浮き彫りになります。
冷麺の発祥は、朝鮮半島の北部(現在の平壌や咸興)です。古くは冬の厳しい寒さのなか、オンドル(床暖房)で温まりながら冬場の保存食として冷たい水キムチの汁でそばをすすったのが始まりとされています。冬の郷土料理が長い年月をかけて通年食、そして夏の代表格へと変化していきました。
一方の冷やし中華は、昭和初期の日本で誕生した純国産の中華料理です。当時、夏場になると熱いラーメンの売り上げが激減することに悩んだ東京・神田の「揚子江菜館」や仙台の「龍亭」などの料理人が、夏バテ防止に涼しく食べられるメニューとして開発したのが始まりです。色鮮やかな千切り具材は、富士山の四季や涼やかな情景を模して考案されました。