飲む抗がん剤は、大きく分けると従来の「殺細胞性抗がん剤」と、特定の分子や遺伝子異常を標的とする「分子標的薬(経口薬)」の2つに分類されます。肺がんのEGFR阻害薬(オシメルチニブなど)、乳がんのCDK4/6阻害薬(アベマシクリブなど)、大腸がんや胃がんで長年処方されるフッ化ピリミジン系製剤(TS-1やカペシタビンなど)など、多種多様な薬剤が標準治療に組み込まれています。
臨床試験データによれば、経口抗がん剤の効果発現期間や生存期間の延長効果は点滴薬に決して劣りません。「飲むタイプだから効果がマイルド」という認識は医学的な誤解であり、腫瘍組織に対して強力な抗腫瘍効果を発揮します。服薬期間は数週間単位で休薬を挟むレジメンから、効果が持続する限り数ヶ月から数年にわたり連日服用を継続するケースまで、がん種と薬剤の特性に応じて綿密にプログラミングされています。