超サイヤ人ゴッドの外見的特徴は、それまでのバトル漫画の常識を覆すものでした。炎のようなゆらめきを持つマゼンタレッドのオーラ、同色の髪と瞳、そして何よりも通常時よりも一回り引き締まったスリムな体躯です。
当時の制作インタビューや公式資料によると、劇場版の初期構想段階では、アニメ制作陣から「マントを羽織り、筋肉隆々で長髪のゴテゴテしたデザイン」が提案されていました。しかし、原作者の鳥山明氏はこの案を完全に刷新。「強そうに見える要素を足していくのではなく、限界まで削ぎ落とす」という引き算の美学を提示したのです。
赤色(マゼンタ)が採用された理由について、鳥山氏は「単に強そうだからという直感だけでなく、金髪(超サイヤ人)とのコントラスト、そして破壊神ビルスの紫と対峙した際の視覚的な美しさ」を重視したと証言しています。また、体が細くなる演出は、東洋武術や合気道に通じる「無駄な力みを一切排除した脱力状態」を視覚化したものであり、筋力に依存する従来のパワーゲームから「神の領域」へとステージが移行したことを象徴しています。