インターネット上の掲示板やSNSでは長年、「コーラを飲んだ直後にメントスを食べると、胃の中で炭酸ガスが爆発して胃壁が破裂し、死に至る」というショッキングな噂が拡散されてきました。この都市伝説の真偽について、医学的・生理学的な事実を検証します。
結論から言えば、人間の胃がメントスコーラによって破裂することは医学的に極めて考えにくい現象です。その理由は大きく3つ存在します。
- 口や食道を通過する過程での炭酸抜け:コーラを口に含み、咀嚼して飲み下す動作によって、炭酸ガスの多くはすでに口内や食道で気化して抜けています。
- メントスのコーティング破壊:メントスを噛んで食べると、表面の微細な凹凸構造が唾液と咀嚼で破壊され、核生成の起点が失われます。丸呑みした場合でも、胃液や胃内の食物と混ざることでボトルのような純粋な急激反応は阻害されます。
- 生体の防御反応(げっぷ・嘔吐):胃の中に急激にガスが充満した場合、食道下部括約筋が弛緩して激しい「げっぷ」や反射的な嘔吐が起こり、内圧が自然に体外へ逃げる構造になっています。
ただし、「胃が破裂しない=完全に安全」という意味ではありません。口の中で同時に混ぜ合わせようとすると、激しい胃膨満感、急性胃拡張に伴う激痛、喉の粘膜損傷、気道への誤嚥による窒息など、重大な健康被害を招く恐れがあります。絶対に人体を使ってふざけて試すような行為は避けてください。
また、実験現場における物理的な危険性への配慮も不可欠です。勢いよく飛び出した炭酸の飛沫が直接目に入ると角膜を痛める危険があるほか、ペットボトルのキャップを閉めて圧力を溜め込もうとすると、容器が爆発して破片が飛び散る重大事故につながります。実験時は保護メガネの着用を徹底し、決して密閉容器で圧力を閉じ込めないことが鉄則です。