下まぶたのできものは放置Ng?痛くない白いしこりと腫れの正体

下まぶたのできものは放置Ng?痛くない白いしこりと腫れの正体

下まぶたのできものは放置Ng?痛くない白いしこりと腫れの正体について知っておくべき 事実を分かりやすく解説いたします。

SNSやネット掲示板を調査すると、「下まぶたのできものを針で刺して潰した」「指で強く押し出したら白いカスが出て治った」といった無謀な民間療法を自慢げに語る投稿が散見されます。しかし、眼科医や形成外科医が口を揃えて「絶対にやってはいけない」と断言するのが、この自己流で膿やしこりを押し出す行為です。

都内の形成外科クリニックに勤務する医師は、現場の実情について次のように警鐘を鳴らします。

「洗面所で裁縫用の針やピンセットを使い、自分で潰して細菌感染を悪化させた患者さんが頻繁に駆け込んできます。家庭環境にある器具をライターで炙った程度では滅菌できず、傷口から別の常在菌が侵入します。結果としてまぶた全体が蜂窩織炎(ほうかしきえん)という重篤な蜂巣炎に発展し、顔半分が紫色に腫れ上がって救急外来での抗生剤点滴が必要になった症例もありました」

下まぶたの組織は人体の中でも極めて薄く、毛細血管と神経が複雑に張り巡らされています。無理な圧迫を加えると皮下で組織が挫滅し、内出血を起こすだけでなく、治癒した後に瘢痕(傷跡の引きつれ)が残る危険性があります。まぶたの縁が歪んでまつ毛が眼球側を向く「逆さまつ毛」を引き起こせば、一生涯にわたって角膜を傷つけ続ける後遺症に悩まされることにもなりかねません。

クリニックで実施される切開排膿処置は、点眼麻酔および局所麻酔を施した上で、顕微鏡下で極細の医療用メスを用いて行われます。切開線はまぶたの裏側の結膜面、あるいは皮膚のしわに沿ってミリ単位で設計されるため、傷跡が外見に残るリスクは極小化されます。「自分で膿を出せば数日で片付く」という安易な過信は、取り返しのつかない外見的・機能的ダメージを自ら招く愚行に他なりません。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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