書類を完璧に揃えて封筒に収めても、最後の封緘(ふうかん)で初歩的な過ちを犯しては画竜点睛を欠きます。特にビジネス封筒の裏面中央に記される記号については、ネット上で誤った俗説が流布しているため注意が必要です。
封じ目に書く文字として最も一般的なのは「〆(しめ)」ですが、この封筒の閉じ方〆印理由を正しく説明できる人は多くありません。これは「締」や「閉」の略字であり、「確かに封を閉じました」「途中で誰にも開封されていません」という機密保持と完全性の証明です。もし第三者が開封して再び貼り直せば、境目の文字の筆跡がずれるため、不当な開封を検知するセキュリティシグナルとして機能してきました。
ここで絶対に犯してはならないのが、「〆」の代わりにアルファベットの「×(バツ)」を書いてしまうミスです。形状が似ているため悪気なく「×」と書く人がいますが、日本の伝統的作法において「×」は拒絕、切断、凶兆を意味する不吉な記号とみなされます。慶事や正式なビジネス信書では厳禁です。なお、よりフォーマルな手紙や改まった公的文書では「封」を、重要機密文書や皇室・官公庁宛て等の格式高い文書では「緘(かん)」を用いるのが正式な作法です。
また、封を閉じる道具の選択にも明確な優劣が存在します。
・液体のり(水のリ):水分が多すぎるため封筒の紙が波打ち、シワだらけになるためビジネス用途では推奨されません。
・スティックのり:粘着力が弱く、郵送中に剥がれて中身が露出する事故事例が多発しています。
・セロハンテープ・ホチキス:手抜きや事務処理上の失礼とみなされるだけでなく、仕分け機械に巻き込まれる恐れがあり論外です。
・テープのり・両面テープ(最適解):紙がふやけることなく平滑に密着し、強力な接着力を保持できるため、現代のオフィスワークでは最も安全で推奨される封緘手段です。