一口に「茶色」と表現しても、ブリティッシュショートヘアが持つブラウン系のカラーバリエーションは遺伝子構成によって多彩に分かれます。見た目の色合いはもちろん、肉球(パッド)や鼻の頭(レザー)の配色まで厳密に定義されています。
1. 濃厚な深みを持つ「チョコレート(Chocolate)」
カカオ分高めのビターチョコレートを思わせる、深みのあるリッチな焦げ茶色です。黒色遺伝子の変異によって生まれるソリッド(単色)カラーであり、光の当たり具合によって漆黒とは異なる温もりのある陰影を見せます。鼻の頭や足裏の肉球もチョコレート色やダークブラウンに染まるのが特徴で、知的な気品を漂わせる佇まいが欧州のショーキャット愛好家から根強い支持を集めています。
2. 赤みを帯びた暖色系ブラウン「シナモン(Cinnamon)」
スパイスのシナモンスティックのように、赤茶色から温かみのある黄褐色が美しく広がる非常にレアな毛色です。チョコレートよりもさらに明るく、オレンジとブラウンの中間のような絶妙なニュアンスを持ちます。肉球やノーズレザーはピンクがかったシナモンブラウンを呈し、愛猫家コミュニティの間でも「生涯で一度は直接拝んでみたい幻のカラー」として特別視されています。
3. シナモンが淡く変化した「フォーン(Fawn)」
シナモン遺伝子にダイリュート(希釈)遺伝子が掛け合わさることで発現する、小鹿(Fawn)のような淡いウォームベージュです。茶色の系統でありながら、まるでミルクティーのような優美で柔らかなトーンを持ち、光を浴びると淡い砂金色に輝きます。遺伝的な組み合わせの成立確率が極めて低く、世界各国のトップブリーダーでも狙って産出させるのが困難な超希少色です。
4. クラシカルな野性味「レッドタビー&ブラウンタビー」
単色(ソリッド)だけでなく、縞模様を持つタビー系にも茶色の魅力が凝縮されています。「レッドタビー」は赤茶色のベースに濃いオレンジ・茶の縞が走るいわゆる茶トラ柄で、温厚で人懐っこい印象を与えます。一方の「ブラウンタビー」は、黒に近い濃褐色と黄褐色のコントラストが特徴的なキジトラ柄で、野性味あふれる力強い骨格とずんぐりした体型(コビータイプ)が見事な調和を生み出します。