ペット同伴旅行において、最も警戒すべきなのは「ペット可(Pet Friendly)」という言葉の曖昧さです。「ペットを受け入れていること」と「愛犬が快適に過ごせること」の間には、深くて暗い溝が存在します。
ありがちな誤解の第一は、「ペット可ホテルなら館内どこでも自由に歩かせられる」という思い込みです。実際にはロビーや廊下などの共用部では「抱っこ必須」や「クレート・ペットバギーへの格納」を義務付けている施設が半数以上を占めます。大型犬の場合、抱っこ移動は物理的に不可能なため、駐車場から客室へ直接出入りできる専用動線が確保されているか否かを事前に確認しなければ、到着早々に立ち往生することになります。
第二の盲点は、狂犬病予防注射および混合ワクチン接種証明書の提出ルールです。2026年現在、衛生管理と感染症予防の観点から、チェックイン時の証明書原本提示や事前アップロードを義務付ける施設が9割以上に達しています。抗体価検査(抗体抗原検査)結果証明書での代行が可能かどうかなど、施設ごとの免責事項を読み落とすと、当日宿泊を拒否される深刻な事態になりかねません。