それでは、核心的な問いに入ります。なぜ二等辺三角形の2つの底角は等しいのでしょうか。直感的に「左右対称だから」と片付けてしまっては、数学的な記述力は身につきません。定期テストの記述欄で満点を獲得するための、完璧な二等辺三角形の定理 証明の組み立て方を確認します。
鍵を握るのは、何もない空間に1本の線を引く補助線、すなわち二等辺三角形 頂角の二等分線の作図です。
【定理の証明:二等辺三角形の2つの底角は等しい】
[仮定] $\mathrm{AB} = \mathrm{AC}$ である二等辺三角形 $\mathrm{ABC}$ がある。
[結論] $\angle\mathrm{B} = \angle\mathrm{C}$ であることを証明する。
[証明手順]
頂点 $\mathrm{A}$ から $\angle\mathrm{A}$ の二等分線を引き、底辺 $\mathrm{BC}$ との交点を $\mathrm{D}$ とする。
$\triangle\mathrm{ABD}$ と $\triangle\mathrm{ACD}$ において、
仮定より、
$\mathrm{AB} = \mathrm{AC}$ ……①
$\mathrm{AD}$ は $\angle\mathrm{A}$ の二等分線だから、
$\angle\mathrm{BAD} = \angle\mathrm{CAD}$ ……②
また、共通な辺だから、
$\mathrm{AD} = \mathrm{AD}$ ……③
①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので、
$\triangle\mathrm{ABD} \equiv \triangle\mathrm{ACD}$
合同な図形の対応する角の大きさは等しいから、
$\angle\mathrm{B} = \angle\mathrm{C}$ (証明終了)
このように、二等辺三角形 底角が等しい理由は、頂角の二等分線によって二等辺三角形を左右真っ二つに分けると、三角形の合同条件を完全に満たす2つの三角形が生まれる点にあります。この「合同な図形の対応する要素は等しい」という論法こそが、中学2年 数学 二等辺三角形の全単元を貫く最強の思考ツールです。