Q1:開先(かいさき)と面取り(めんとり)の違いは何ですか?
A1:目的が根本的に異なります。面取りは、金属を切断した際に生じる角の「バリ」を取り除き、作業者の手指の切創防止やボルトの挿入をスムーズにするために角を落とす軽微な加工です。一方、開先は溶接時に深部まで溶融金属を行き渡らせて完全溶込み強度を確保するために、接合面全体に深さや角度を厳密に計算して設ける工学的な溝加工です。
Q2:現場でルート間隔が広がりすぎて4〜5mm以上空いてしまった場合の対処法は?
A2:無理にそのまま溶接しようとするとアークが抜けて溶け落ちます。JISや建築学会の施工標準では、裏当て材(バッキングプレート)を当てて施工するか、母材端面に肉盛り溶接(バターリング)を施して開先を削り直し、正規のルート間隔(1〜3mm)に修正してから本溶接を行うことが義務付けられています。
Q3:DIYレベルの溶接でも開先加工は行ったほうが良いですか?
A3:板厚が4.5mmを超える厚手のフラットバーやアングル材を接合する場合は、ディスクグラインダーで部材の端を斜めに削り、簡易的なV型開先(片側30度程度)を作ってから溶接することを強く推奨します。開先を取らずに表面だけを盛った溶接は、ハンマーで叩いた程度の衝撃でも簡単に破断する危険性があります。