定期テストや高校入試・共通テスト対策において、枕草子第一段の冒頭部は文法問題の宝庫です。ここを完全に攻略するためには、精密な古文文法解説と品詞分解のスキルが欠かせません。
ここでは、最も出題されやすい「やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」の全要素を分解し、文法的役割を明示します。
【ようよう白くなりゆく山際の品詞分解】
- やうやう(副詞):だんだんと、次第に。歴史的仮名遣いは「やうやう」、現代仮名遣いは「ようよう」。
- 白く(形容詞):ク活用形容詞「白し」の連用形。
- なり(動詞):ラ行四段活用動詞「なる」の連用形。
- ゆく(動詞):カ行四段活用動詞「ゆく」の連体形。後ろの名詞(体言)「山際」を修飾。
- 山際(名詞):山に接する空の部分。
【続く文脈の品詞分解と重要文法】
- 少し(副詞):いくらか、かすかに。
- 明かり(動詞):ラ行四段活用動詞「あかる(明るくなる)」の連用形。
- て(接続助詞):単純接続または順接。
- 紫だち(動詞):タ行四段活用動詞「むらさきだつ(紫色を帯びる)」の連用形。
- たる(助動詞):存続の助動詞「たり」の連体形。体言「雲」を修飾。
- 雲(名詞):雲。
- の(格助詞):主格(〜が)を表す。「雲が」と訳す。
- 細く(形容詞):ク活用形容詞「細し」の連用形。
- たなびき(動詞):カ行四段活用動詞「たなびく(雲や霞が薄く横に引く)」の連用形。
- たる(助動詞):存続の助動詞「たり」の連体形。文末で体言が省略された余情表現。
ここで絶対に落としてはならないのが、「紫だちたる雲の細くたなびきたる」に含まれる格助詞「の」の働きです。古典文法において「の」には「主格・連体修飾格・同格・体言の代用・比喩」の5大用法がありますが、連体形「たなびきたる」へと呼応するこの「の」は、主格(〜が)として機能しています。「雲が細くたなびいている様子が良い」と解釈するのが鉄則です。