猫が吐きそうで吐かないのはなぜ?命に関わる危険サインと受診基準

猫が吐きそうで吐かないのはなぜ?命に関わる危険サインと受診基準

猫が吐きそうで吐かないのはなぜ?命に関わる危険サインと受診基準について見逃せない 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。

ネット上には飼い主を惑わす誤った情報や民間療法が氾濫しており、獣医療の現場ではこれが手遅れを引き起こす要因として問題視されています。その最たる例が、ショート動画プラットフォーム等で拡散された「特定の電子音や周波数を聴かせると猫の吐き戻しがピタリと止まる」というSNSの噂です。

獣医師の見解は極めて明快です。あの現象は、不快または聞き慣れない周波数の音響によって猫が強い警戒心を抱き、身体を緊張させて嚥下反射を強制的に誘発しているに過ぎません。吐き気を根本的に治療しているわけではなく、吐き出すべき毒物や胃酸を無理やり胃や食道へ押し戻している状態です。誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を引き起こすリスクや、食道狭窄を招く恐れがあり、絶対に試してはならない危険な行為です。

また、猫が口をクチャクチャさせてえづく原因についても、重大な盲点が存在します。口を頻繁にクチャクチャと鳴らし、前足で口元を気にするような仕草は、強い嘔気(吐き気)の典型サインであると同時に、「舌の根元に糸が巻き付いている」「上顎に異物が挟まっている」「重度口内炎や歯肉炎の激痛」「腎不全による尿毒症性の口内潰瘍」の現れでもあります。特に紐を飲み込んだ際、舌の裏側に糸の端が引っかかり、もう一端が腸へと流れて腸管を切り裂く事故は多発しています。口を気にしてえづいている猫を見かけたら、吐かせる工夫をするのではなく、まず安全に口腔内を目視確認することが鉄則です。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。