多くの視聴者が「気持ち悪い」「見るのがきつい」と口を揃える代表的な場面が、大学生の花と狼男(彼)による性描写です。作中では直接的な露出こそないものの、半人半獣の姿に変身した彼を受け入れる花の姿が、息遣いや身体の重なりとともに非常に生々しく演出されています。
このシーンに対する批判や拒絶反応には明確な理由が存在します。
1つは、「獣姦(動物との性交)」を想起させるビジュアルショックです。狼の頭部を持つ存在と若い人間の女性が交わる構図は、一般的なアニメ表現の枠組みを大きく踏み越えており、純粋な恋愛描写として受け止められない層に強い生理的嫌悪感を植え付けました。
さらに、アニメーションとしての生っぽさが拍車をかけます。毛並みのリアルな質感や吐息の表現など、細田守監督特有のフェティッシュな演出がアニメ的なデフォルメを超えて迫ってくるため、「お茶の間が凍りつくトラウマシーン」として語り継がれる結果となりました。