突然の出血に直面した際、冷静に観察すべき5つの鑑別ステップを整理しました。受診時に医師へ正確な状況を伝えるための備えにもなります。
① 出血の前触れ(前駆症状):
胸が締め付けられるような違和感や喉の奥がイガイガ・チクチクした後に咳き込んだなら喀血が疑われます。一方で、みぞおちの激痛、強いむかつき、冷や汗、急激な腹部膨満感を覚えた後に吐き出した場合は吐血の可能性が濃厚です。
② 気泡(泡立ち)の有無:
吐き出された血液の中に細かな泡が混ざっているかどうかを確認します。気管や肺胞の空気と混ざり合いながら排出される喀血は「泡沫状(泡を含む)」になる傾向があります。吐血には基本的に気泡は混入しません。
③ 血液の色合い(鮮紅色 vs 暗赤色):
鮮やかな明るい赤色(鮮紅色)であれば喀血、黒っぽいドス黒い赤色やコーヒーの粉のような色合い(暗赤色・黒褐色)であれば胃酸に触れた吐血と推測されます。
④ 混ざっている内容物:
透明や黄色の粘液(痰)が混じっていれば呼吸器系由来です。未消化の食べ物の残りかす、胃液特有のツンとした酸っぱい臭いが混ざっていれば消化器系由来と判断できます。
⑤ 便の色の変化(タール便の有無):
吐血の場合、出血した血液が胃から小腸・大腸へと流れるため、数時間から翌日にかけて「海苔の佃煮のような真っ黒な便(タール便)」が排泄されるケースが極めて多く見られます。喀血では通常、便の色は変化しません。
なお、少量の血が痰の筋として混ざる状態は「血痰(けったん)」と呼ばれます。血痰は肺がんや気管支炎の初期サインとして頻発し、血液そのものをゴボゴボと吐き出す「喀血」の一歩手前である場合が多いため、軽微であっても放置は危険です。