こうした精神的ダメージの深刻さは、医療や行政の現場でも重く受け止められつつある。日本精神神経学会の学術集会等でも、近親者による心理的裏切りが及ぼす重篤な気分障害や適応障害への対応が議論される機会が増えた。個人の「気持ちの持ちよう」という精神論では解決できない、明確な病理的反応として捉え直す動きが広がっている。
さらに、厚生労働省が推進する自殺対策やメンタルヘルス支援の領域においても、家庭内トラウマやハラスメントに起因する心の病への早期介入が重視されている。不貞行為というドメスティックな裏切りが引き金となって発症する抑うつ状態は、放置すれば休職や社会機能の喪失、果ては生命の危機にまで直結する重大な健康被害であるという認識が定着しつつある。