後楽園球場のマイクを通して語られたスピーチは、飾り気のない言葉でありながら、自らの野球人生を支えてくれたファンへの感謝と誇りに満ち溢れていました。以下にその全文を正確に記録します。
「秋晴れの後楽園球場に、これほど多くのファンの皆様をお迎えし、今日私の引退のセレモニーを行っていただき、感無量でございます。
昭和33年、監督の胸に抱かれ、栄光の巨人軍に入団以来、17年間、常に皆様の温かいご声援を背に受け、今日までプレーを続けてまいりました。
今日ここに、皆様の前で引退を表明することは誠に寂しい限りでございますが、男のケジメとして、この道を選びました。
振り返ってみますと、17年間の長嶋茂雄の野球人生は、皆様の温かいご支援とご声援によって、力強く支えられてまいりました。
巨人軍の誇り高き伝統のもと、栄光のV9を達成し得たのも、皆様の熱烈なご声援があったからこそと、深く感謝しております。
私は今日、引退いたしますが、我が巨人軍は永久に不滅です。
ファンの皆様、長い間、本当にありがとうございました」
言葉の終盤、涙をこらえながら絞り出すように発せられた「我が巨人軍は永久に不滅です」という宣言。これは単にチームの存続を願ったものではなく、自身が去った後もジャイアンツという存在がファンにとって永遠の夢であり続けてほしいという、ミスターならではの祈りと託された未来へのメッセージでした。