ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ。本名を明かす瞬間のあの選民思想に満ちた立ち振る舞いは、作中屈指のハイライトだ。彼は単なる強欲な軍人ではなく、失われた王国の正統な継承者という自負と重圧を背負っていた。
奪われた権力と栄光を取り戻すという執念。それが彼を突き動かす原動力であり、同時に破滅へと導く罠でもあった。手帳を読み解き、古代文字を解読する知性がありながら、パズーとシータの「絆」という計算不可能な感情の力を最後まで理解できなかった。その致命的な盲目さこそが、物語のクライマックスにおけるカタルシスを生み出している。