ここで多くの人が抱く疑問がある。「この衝動がエスカレートして、本当に害を加えてしまうことはないのだろうか?」という不安だ。臨床心理学者の見解は明確である。この心理現象はあくまで「感情のバランスを取り戻すための代償作用」であり、実際に相手を傷つけようとする悪意や害意とは根底から異なる。
正常な状態の最中、人は実際の行動に移すことはなく、心の中で「ぎゅーっとしたい」「噛みつきたい」という衝動を感じつつも、対象を丁寧に抱きしめたり、優しく撫でたりするにとどまる。つまり、脳はシグナルを出して感情を中和させているだけであり、行動の制御機能(前頭葉の実行機能)は正常に働いているのだ。万が一、実際に危害を加えたいという具体的な計画や実行の欲求を伴う場合は、それはキュートアグレッションではなく別の心理的負荷や疾患のサインであるため、専門的なアプローチが必要となる。