なぜ私たちは、カシオワールドオープンにこれほど惹きつけられるのでしょうか。その本質は、アスリートが抱える「キャリアの存亡」という極限の心理状態にあります。
心理学において、人は「失う恐怖」に対してより強い回避行動やストレス反応を示すとされています。年間を通じて戦ってきたプロが、わずか1ストロークの差で翌年の職場を失い、過酷なQT(予選会)への逆戻りを余儀なくされる。この残酷な現実に対し、恐怖をねじ伏せてスーパーショットを放つ選手もいれば、プレッシャーに押し潰されてショートパットを外す選手もいます。
成功の華やかさだけでなく、人生の岐路に立つ男たちの剥き出しの人間ドラマがそこにあるからこそ、本大会は長年にわたりファンの心を掴んで離さないのです。