消費者が最も混同しやすいのが「乳酸菌の健康効果」と「賞味期限」のメカニズムです。製造時の加熱処理の有無が、両者の性質を大きく二分しています。
プロセスチーズの製造ラインでは、チーズを溶かす過程で80℃〜85℃前後の高温加熱殺菌が行われます。この加熱によって原料由来の乳酸菌や酵素は死滅(または失活)するため、パッケージ内で発酵が進むことはありません。その結果、冷蔵庫内で味や硬さが変わらず、未開封であれば半年から1年近い長期保存が可能になります。
対照的に、ナチュラルチーズは加熱処理を行わない(あるいは穏やかな殺菌にとどめる)ため、乳酸菌が生きたまま届きます。腸内環境の改善を期待して生きたプロバイオティクスを摂取したい場合はナチュラルチーズに軍配が上がります。ただし、熟成が進むにつれてアンモニア臭が出たり組織が崩れたりするため、賞味期限は数日から数週間と短く、厳格な温度管理が求められます。