神社が語り継ぐ神話によれば、ご祭神である賀茂別雷命が本殿後方に聳える神山に降り立った際、人々は馬に葵や桂を飾り、鈴を鳴らして走らせることで神を迎えたという。この伝説こそが、いまも5月に執り行われる葵祭(賀茂祭)の原点であり、馬とこの地の深い結びつきを示す証拠である。
葵祭のルーツである「走馬の儀」では、神馬が参道を力強く駆け抜け、邪気を祓う。新緑の境内を鮮やかな装束に身を包んだ行列が進む中、白馬が放つ独特の威厳は観客を魅了してやまない。神話の時代から続く祈りのストーリーが、神馬の存在によって目の前で立体的に再現される瞬間だ。