平沢進のライブパフォーマンスを語る上で欠かせないのが、自ら考案・カスタマイズを重ねてきた特異なインターフェースと舞台装置です。フジロックの巨大なホワイトステージに設置された機材群は、まさに観客の度肝を抜くスケールでした。
もっとも象徴的だったのが、緑色の光線を放つ「レーザーハープ」です。平沢が進み出て光の弦を手で遮るたび、重厚なシンセサイザーの音が山々に反響。視覚と聴覚が完全に同期する演奏スタイルは、野外フェスの開放的な闇夜と恐ろしいほどの親和性を見せつけました。
さらに会場の空気を一変させたのが、高電圧の人工放電によって金属的な音を奏でる「テスラコイル」の稼働です。バチバチと激しい青白い放電火花を散らしながら、物理的な火花そのものが電子音階を奏でる光景に、現地オーディエンスからは地鳴りのような歓声が上がりました。単なるギミックに留まらず、楽器として完全に楽曲と調和させる職人技。まさに電子音楽のパイオニアとしての矜持が結実した瞬間でした。