「車に残されたわずかな記録が、時に沈黙を破る最大の武器になる」。捜査の最前線に立つ京都府警察特別捜査官は、静かな口調でそう語った。
車両が放置されていた現場周辺は、携帯電話の電波も届きにくい僻地だ。被害者がなぜそのルートを選択したのか、意図的な誘い出しがあったのか。最新の車載用ドライブレコーダーに蓄積されていた加速度センサー(Gセンサー)の位置データや高度変化を精査することで、事件当夜における車両の予期せぬ停車やUターンの挙動が裏付けられ、捜査本部は新たな事件性のスクープを視野に追跡を強めている。