犬も歩けば棒に当たるの真実!幸運と災難の二重構造と正しい使い方

犬も歩けば棒に当たるの真実!幸運と災難の二重構造と正しい使い方

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このことわざが日本全国に広まった最大の契機は、江戸時代後期に庶民の間で爆発的に流行した「江戸いろはかるた」です。かるたの最初の札である「い」の句に採用されたことで、子どもから大人まで暗唱する国民的ことわざとなりました。

語源となった江戸の生活環境を紐解くと、当時の町には多くの野良犬が徘徊していました。気ままに歩き回る犬を、人間が追い払うために「棒を投げつけたり、棒で叩いたりした」というリアルな情景がこの言葉の出発点です。つまり、犬にとって棒に当たることは「痛い目に遭う」「不運な災難」そのものでした。

では、なぜ「棒に当たる」が幸運の意味へシフトしたのでしょうか。日本語の「当たる」には、ぶつかって怪我をする意味のほかに、「宝くじに当たる」「大当たり」といった予想外の利益を手に入れる意味合いも含まれます。昭和から平成、令和へと移り変わる中で、犬が歩き回った結果として「美味しい骨(棒状のもの)に巡り合えた」という連想や、行動経済的なポジティブ思考が結びつき、良い意味としての解釈が急速に浸透しました。

なお、京都を中心とする「上方いろはかるた」では、「い」の札には「一寸先は闇」が割り当てられており、地域による人生観の違いが色濃く反映されている点も興味深い歴史の一面です。

山田 真由
著者

山田 真由

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