長年ニャンちゅうを象徴してきた「ミーはニャンちゅうだニャ!」という唯一無二のだみ声。2026年春に実施された声優交代は、単なるキャスティングの変更にとどまらず、日本の放送文化と難病共生における金字塔的な出来事として記録されています。
初代声優の津久井教生さんは、1992年4月の『母と子のテレビタイム土曜版』での初登場から30年以上にわたりニャンちゅうの魂を吹き込み続けてきました。しかし、2019年10月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を公表。身体の自由や発声が徐々に困難になるという過酷な病魔と闘いながらも、特注のマイクや気管切開後の音声合成技術を駆使し、驚異的なプロ意識でスタジオ収録に臨み続けました。
当時の特番インタビューや自著・手記において津久井さんは、「声が出なくなっても、ニャンちゅうの心は生き続ける」という強い決意を吐露していました。その意志を受け継ぐ後継者として白羽の矢が立ったのが、実力派声優の羽多野渉さんです。津久井さん本人の指名と監修のもと、2026年度の段階的な移行期間を経て、2026年4月放送回より羽多野渉さんが2代目ニャンちゅうを正式に担当。現在も津久井さんは「アドバイザー」として制作陣に名を連ね、魂の継承を見守っています。