インターネット上の掲示板やSNSでは、コンロの火がつかないトラブルに対して「ライターやチャッカマンを近づけて強制着火すれば凌げる」といった乱暴な裏ワザが語られることがあります。しかし、これは一酸化炭素中毒や爆発着火を招く極めて危険な行為であり、ガス業界および消防庁も厳重に警告を発しています。
火がつかない状態のバーナーからは、点火ボタンを押している間、生ガスが大気中に放出されています。そこへ裸火を近づけると、周囲に滞留した未燃焼ガスに一気に引火し、激しい爆発音とともに炎が立ち上がって顔面や衣服に燃え移る危険性があります。さらに、現代のSiセンサーコンロはコンピュータ制御で安全弁をコントロールしているため、強制点火を行っても立ち消え安全装置が炎を認識できなければ、数秒後に強制遮断されて火は消えてしまいます。一時しのぎにもならないリスクの高い行為は絶対に避けてください。
もうひとつの誤解は、「ガス栓(元栓)は勝手に閉まることはない」という思い込みです。キッチンの大掃除や鍋の出し入れの際、ホースやコックに体が触れて元栓が半開き・全閉状態になっているケースは、実際の出張点検現場で頻繁に目撃されています。また、最新のヒューズガス栓は、ゴムホースの抜けや急激なガス放出を検知すると内部のボールが浮き上がってガスを遮断する仕組みになっており、この場合は一度元栓を完全に閉めてからゆっくりと開き直さなければガスが通りません。