かつて西神センタービル内にあった旧西神図書館から、新築複合施設への移転・全面リニューアル。オープンから時を経た2026年の現在も利用者が引きも切らない理由は、単なる建物の新しさだけではありません。最大の要因は、神戸市が進める大規模再開発「西神中央駅前リノベーション」の中心核として、芸術文化ホール「西神中央ホール(なでしこホール)」と一体設計された点にあります。
設計を手掛けた建築陣が意図したのは、公園の緑と駅前広場がシームレスにつながる「滞在型オープンリビング」の具現化です。延床面積は旧館のおよそ3倍となる約3,000平方メートルへ拡張。1階から2階へと続く優美な吹き抜け空間には、木製ルーバー越しにやわらかな木漏れ日が差し込み、滞在そのものが心地よい体験となるよう緻密に計算されています。
神戸市都市局および文化スポーツ局の公表資料によると、移転後の来館者数は旧館時代の年間実績を大きく上回り、貸出冊数・利用者満足度ともに神戸市立図書館全館の中でトップクラスを維持しています。単に本を保管する「倉庫型」から、人が集い思考を深める「滞在型サードプレイス」への完全移行に成功した好例といえます。