名優・役所広司が本作で魅せる演技は、まさに息を呑む圧倒的な凄みに満ちている。過酷な撮影現場において、彼はいかにして役柄の狂気と人間性を同居させたのか。スタッフによると、カメラが回っていない時間ですら、現場には異様に張り詰めた気が漂っていたという。
極限状態の心理描写を追い求めるあまり、テイクが数十回に及ぶことも珍しくなかった。役所広司自身も「己の極限を試される過酷な現場だったが、これまでにない確かな手応えを感じている」と密かに明かしており、キャスト陣が魂を削って挑んだ迫真のドラマが映像の随所から溢れ出ている。