ピッチから偏見を追い出すべく、長年にわたり草の根の抗議運動を展開してきたイギリスの差別反対団体「Kick It Out」は、現在の被害状況に対して強い危機感を表明している。彼らは単に裁判や警察への通報を支援するだけでなく、下部リーグやアマチュア世代、教育現場にまで踏み込んだ啓発プログラムを精力的に実施している。
しかし、草の根での地道な草の根運動に対し、現実の事件件数は減るどころか増加傾向を見せる。子供たちが憧れるプロの舞台で差別行為が野放しにされれば、教育的なアプローチの根底が崩れ去ってしまうからだ。草の根団体が求めるのは、行政や法務機関、さらには警察組織とも連携した実効性の高い追跡体制の構築であり、民間団体の努力だけに依拠する現状からの脱却を強く求めている。