沖縄県民のみならず、いまや全国区の知名度を誇るタコライス。その起源を辿ると、沖縄本島中部に位置する金武町(きんちょう)の米軍基地「キャンプ・ハンセン」のゲート前に突き当たります。
1984年、創業者である故・儀保松三(ぎぼ まつぞう)氏がオープンした伝説の飲食店「パーラー千里(せんり)」こそが、タコライス誕生の原点です。当時、円高ドル安の煽りを受けて小遣いが目減りしていた若き米海兵隊員たちに対し、「安くて腹いっぱい食べられるメニューを提供したい」という思いから開発されました。
メキシコ生まれ・アメリカ育ちのタコスの具材(スパイシーなタコミート、チーズ、レタス、トマト)を、日本人の主食である温かい白米の上に豪快に載せるという奇抜なアイデアは、基地の街ならではのチャンプルー(混ざり合い)文化から生まれた必然の産物でした。
その後、パーラー千里の成功を受けて1985年にチェーン展開の母体として設立されたのが「キングタコス」です。パーラー千里自体は建物の老朽化等により2015年に惜しまれつつ閉店しましたが、その直系の味と圧倒的なボリュームは、現在のキングタコス各店舗へ脈々と受け継がれています。