この離婚劇において最大の焦点を集めたのが、二人の息子の親権を市村正親が持つという決定だった。母親である女性側が親権を手放すケースは、当時の日本社会では極めて珍しい。一部では「不倫の代償として親権を渡したのではないか」という穿った見方も浮上した。
しかし、当事者たちが語った言葉は異なっていた。市村は「父としての背中を見せたい」と語り、篠原もまた「父のように強い背中を見せて育ててほしい」と同意したという。舞台人としての誇りと、互いのキャリアに対する敬意が交錯した末の結論だったとも言えるが、世間の納得感を得るには時間がかかった。