日本におけるジーンズ人気の金字塔を語る上で、木村拓哉という存在を外すことはできない。彼が伝説的ドラマ『HERO』で見せたタフでありながら洒脱な装いは、日本全国に大旋風を巻き起こした。ヴィンテージのデニムジャケットに同系統のジーンズをさらりと合わせるその着こなしは、王道アメカジの象徴として一時代を築き上げ、人々の記憶に深く刻み込まれている。
当時のインパクトがあまりに強烈だったからこそ、「あのスタイルは特定のカリスマにしか許されない特殊なものだ」という固定観念が一部で残ってしまった側面もある。しかし、彼の示した着こなしの骨格――つまり「素材の風合いを活かし、気負わずに着る」という美学は、形を変えて現在のストリートカルチャーにも脈々と受け継がれている。