歯磨き粉を使ったときの「泡立ちの良さ」や「洗った感」を生み出しているのが発泡剤である。しかし、この泡立ちを演出する代表的な合成界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(SLS)には、粘膜への強い刺激性が指摘されている。口の中のデリケートな粘膜を保護する粘液層を洗い流してしまい、口内炎の頻発やドライマウスの原因となるケースが報告されているのだ。さらに、磨いた直後に味が変わる「味覚修飾作用」もこの成分が味蕾細胞に刺激を与えることで生じる。
国際的な安全基準の視点からも警戒が必要だ。例えば、かつて抗菌剤として幅広く使われていたトリクロサンなどは、耐性菌の発生や内分泌攪乱のリスクから米国食品医薬品局(FDA)によって販売禁止措置が取られた経緯がある。日本の厚生労働省をはじめとする規制当局も成分の安全性評価を随時見直しているが、海外の最新規制と国内流通品にはタイムラグが生じることもある。安価な大量生産品や個人輸入品を購入する際は、配合成分の安全性を自身で見極める目が欠かせない。