著作権が切れたからといって、自由勝手に何でも作っていいわけではない。ここに最大の罠が潜んでいる。パブリックドメインとなったのは、あくまで1926年刊行のA・A・ミルンによる「原作小説」の要素だけだ。1977年の名作アニメ『くまのプーさん 完全保存版』などでディズニーが独自に生み出した意匠は、依然として強固な保護下にある。
代表例が「赤いTシャツを着たプー」のビジュアルだ。あのアイコニックな赤い服を着せた瞬間、ディズニーの著作権侵害に該当するリスクが跳ね上がる。独特のおっとりした声のトーンやディズニー版特有のオリジナルキャラクター(ゴーファーなど)も利用できない。知らずに赤い服のプーをグッズ化して販売すれば、即座に法廷へ引きずり出されるだろう。