燃料費の高騰や後継者不足など、街の銭湯を取り巻く環境は決して平坦ではない。しかし、全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会をはじめとする関係各所は、単なる歴史の保存にとどまらない新たな価値創出へ向けて舵を切っている。若い世代のコミュニティスペースとしての活用や、アート展示との融合など、伝統を守るための攻めの試みが各地で萌芽を見せている。
失われてしまえば二度と再生できない街のインフラであり、地域の社交場。暖簾を守り続ける湯守たちの覚悟と、それを支える地域住民の温かい眼差しが、歴史ある建物を単なる遺産ではなく、明日へ脈打つ生きた空間へと昇華させている。