インターネット上の料理コミュニティやレシピ動画で頻繁に見受けられるのが、「片栗粉で揚げさえすれば、下味に関係なくすべて竜田揚げである」という誤認です。これは調理科学的な定義からも、食文化の文脈からも明白な間違いと言えます。
前述の通り、竜田川の情景を模した赤褐色の下地が不可欠であるため、塩味ベースやコンソメ味で片栗粉をまぶしたものは、あくまで「片栗粉を使った白い唐揚げ」であって竜田揚げではありません。伝統的な定義を厳格に当てはめるならば、「醤油とみりん・酒でしっかりと漬け込み、片栗粉のみで揚げたもの」だけが、正統な竜田揚げとしての資格を持ちます。