広大な万博会場を歩き回るには、1日あたり1万5,000歩から2万歩前後の歩行が求められます。若い世代ですら2日連続で通えば筋肉痛や疲労で音を上げるなか、なぜ山田さんは何ヶ月にもわたり連日歩き続けることができるのでしょうか。
その秘訣は、日常生活における徹底した基礎体力作りと生活リズムの固定化にあります。当時のテレビ特番や手記で山田さん本人が明かしているところによると、彼女は特別なジム通いをしているわけではなく、日々の家事や買い物、階段の昇降をトレーニングに変え、万博期間中は「夜9時就寝・朝4時起床」をミリ単位で崩さない規則正しい睡眠習慣を維持していました。足への負担を減らすためのウォーキングシューズ選び、特注インソールの活用、そして水分補給のタイミングに至るまで、長年の経験に裏打ちされた自己管理技術が存在します。
そして何より欠かせないのが、山田外美代さんを支える家族の存在です。上海万博への挑戦時、周囲からは「言葉も通じない異国で高齢女性が半年間暮らすなど無謀だ」と反対の声もありました。しかし、夫は「妻が生涯をかけて熱中できることなら」と快く送り出し、現地でのサポート役として長男が同行しました。上海のアパートでは長男が食事の支度や健康管理をサポートし、母の挑戦を二人三脚で支え抜いたのです。山田さんは事あるごとに「家族の理解と協力がなければ、今の私はいません」と深い感謝を語っています。