金柑特有の苦味や渋味は、主に果皮や種子周辺に含まれる「リモノイド」や「ナリンギン」といったポリフェノール化合物に起因します。これらは適度であれば爽快な風味となりますが、過度に残ると舌を刺すエグ味に変わります。これが、伝統調理において徹底した苦味取りの工程が挟まれる理由です。
下茹でした後に水へさらす時間は、好みの仕上がりに応じて調整します。苦味をしっかり抜きたい場合は1〜2時間程度きれいな冷水に浸すのが鉄則ですが、半日以上さらすと金柑本来の豊かな芳香成分(リモネンなど)まで抜け落ちてしまうため注意が必要です。
美しさと食べやすさを両立させる最大の関門が「種取り」です。実の形を保ちながら種を全滅させる金柑の種取りのコツは、竹串や爪楊枝の先端をテコの原理で使う手法にあります。
具体的な手順は以下の通りです。まずヘタを指先や竹串の先で丁寧に取り除きます。次に、果実の側面に縦方向へ等間隔に5本ほどの切れ目を入れます。この切り込みの隙間から竹串を差し込み、中心部にある種を優しく掻き出すように外側へ押し出します。ヘタを取った穴から竹串を入れて種を突いて外す方法もありますが、側面からのアプローチの方が果肉を傷つけず、果汁の流出を最小限に食い止めることができます。