とうもろこしが他の夏野菜に比べて圧倒的に足が早いとされる最大の理由は、「収穫後も激しい呼吸活動を続けているから」です。植物生理学の知見によると、とうもろこしは茎から切り離された瞬間から、自らの糖分をエネルギーとして消費し、生命を維持しようとします。この呼吸熱によって自らを温めてしまい、デンプン分解酵素の働きでショ糖が瞬く間にデンプンへと変換されてしまうのです。
特に「とうもろこしの日持ち(常温)」はわずか数時間から半日程度。気温が25度を超える室内や直射日光下に半日放置するだけで、収穫時の糖分の約半分が失われるという実験データも報告されています。「まだ皮が付いているから大丈夫」と油断して常温で数日放置すると、甘みが完全に抜けてパサパサの「まずいとうもろこし」に変貌してしまいます。鮮度と甘みを守るためには、購入後1分でも早く適切な温度帯へ移行させることが不可欠です。