配筋された鉄筋が型枠に接触したり沈み込んだりしないよう、所定の離隔を保つために配置されるのが「スペーサー(スペーサーブロック)」です。基礎底面にはサイコロ状のコンクリート製ブロックが、梁や柱の側面にはプラスチック製ドーナツ型スペーサーが多用されます。
JASS 5や公共建築工事標準仕様書では、スペーサーの配置間隔について明確な設置基準を定めています。例えば、スラブ(床)や壁では「1平方メートルあたり約1個〜1.5個(縦横およそ1m以内)」、梁や柱では「間隔1.5m以内、端部は0.5m以内」の配置が義務付けられています。
しかし、住宅検査を行うホームインスペクターの調査報告資料によると、施工不良の現場では以下のような実態が散見されます。
- 「型枠組み作業やコンクリート打設時に作業員が鉄筋を踏み、スペーサーが外れて配筋が床に落ちていた」
- 「コスト削減や手間を省くため、指定より薄いサイズのスペーサーを誤使用していた」
- 「耐火性や強度が劣るプラスチック製スペーサーを、外気に接する梁底や基礎底部に使用していた」
打設前に第三者による配筋検査が適切に行われない場合、コンクリートが流し込まれた後は目視確認が不可能になるため、これらの初期不良が長年放置される構造的要因となっています。