甘夏の旬はいつ?収穫とズレる本当の食べ頃を徹底解説

甘夏の旬はいつ?収穫とズレる本当の食べ頃を徹底解説

甘夏の旬はいつ?収穫とズレる本当の食べ頃を徹底解説についての疑問解決ガイドをお届けします。

青果市場の出荷統計やJAの営農指導資料を精査すると、甘夏の収穫時期は12月下旬から翌年2月頃に集中しています。これは、冬の厳しい寒波や霜によって果実が凍結し、果汁が抜けてパサつく「す上がり」被害を防ぐための栽培上の必須工程です。対して、消費者がスーパーや直売所で手にする甘夏の旬の時期は2月下旬から5月であり、最も食味が充実するのは3月中旬から4月中旬となります。

この数ヶ月のズレを生む最大の要因が、貯蔵工程における「減酸(酸の抜け)」です。収穫直後の甘夏はクエン酸含有量が約2.0%以上と極めて高く、そのまま口にすると強い酸味で甘みを感じにくい状態にあります。農家は収穫した果実を風通しの良い予措(よそう)庫や専用の貯蔵庫に並べ、温度・湿度を徹底管理しながら1〜2ヶ月ほど寝かせます。この間に果実が自ら呼吸し、酸をエネルギーとして消費することで酸度が約1.0〜1.2%前後まで低下し、元々備わっていた糖度10〜11度の豊かな甘みがくっきりと際立つのです。

なお、温暖な無霜地帯では、あえて木の上に成らせたまま完熟させる「木成り(樹上完熟)甘夏」も生産されます。こちらは3月下旬〜4月にかけて収穫され、収穫後すぐにジューシーな果汁感を楽しめる高級品として市場で高く評価されています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。