汎用性の高いイディオムですが、文化的文脈や上下関係を無視して乱用すると、重大なコミュニケーション事故を引き起こすリスクがあります。
ネット上の簡易解説では「賛成の相槌として使える便利な英語」と紹介されがちですが、この表現には「それ以上言わなくても分かっている(=これ以上の説明は時間の無駄)」というニュアンスが構造的に含まれます。
そのため、以下のシチュエーションでの使用は厳禁です。
【NGシチュエーション1:目上の役員や重要クライアントに対する直接返答】
商談中、クライアントの幹部が「セキュリティの堅牢性が最優先事項です」と熱弁した際に、「You're preaching to the choir.」と返してしまうと、「そんなの当たり前だ、分かりきったことを言うな」と聞こえ、極めて傲慢かつ失礼な印象を与えます。この場合は、「We are completely aligned on that point.」や「I couldn't agree more.」といったフォーマルな表現を選択するのが鉄則です。
【NGシチュエーション2:相手が教え・アドバイスを授けてくれている場面】
メンターや上司から業務のコツや心構えを指導された際に使うと、「あなたの助言など聞くまでもなく知っていた」という反抗的なメッセージになりかねません。アドバイスへの感謝が求められる場では不適切です。