インターネット上の情報では「RADはノーコード開発と同じで誰でも安価に作れる」「どんな大規模システムでも短納期で完成する」といった極端な言説が散見されますが、これらは重大な誤解です。
第一の盲点は、RAD開発の手法と特徴において最も重要な「アーキテクチャ設計」の軽視です。画面(UI)を高速で作れる反面、背後にあるデータベース設計やAPI連携の堅牢性を疎かにすると、データ量が増加した際にレスポンスが極端に低下したり、将来的な機能拡張が困難になったりする「技術的負債」を抱え込むことになります。
第二の盲点は「スコープクリープ(要件の際限なき肥大化)」です。プロトタイプが手元で動くのを見ると、現場担当者から「このボタンも欲しい」「この帳票出力も自動化したい」と次々に要望が湧き出します。これらを無秩序に取り込むと、RAD最大の強みであるスピードが失われ、納期遅延とコスト高騰という最悪の結果を招きます。プロトタイピングは仕様を膨らませるための場ではなく、「本質的に不要な機能を削ぎ落とすための場」であるという共通認識が必要です。