長らく続いた異次元緩和の出口戦略を進める日銀利上げ為替影響により、日米金利差の縮小を意識した円高ドル安投資戦略が機関投資家の間で急速に再構築されています。39年半ぶりの水準となる1ドル=162円近辺まで売り込まれた局面では、日経平均株価が歴史的高値を更新する一方で、輸入比率の高い内需関連銘柄はコストプッシュの業績下押し圧力を受け、バリュエーション(投資尺度)面で大きく出遅れていました。
為替が円高に振れると、海外から原材料や完成品を仕入れて国内で販売する企業は、同一のドル建て価格であっても円建ての調達コストが直接的に低下します。例えば、1ドル=155円から140円へ円高が進むだけで、ドル建て輸入コストは約9.6%も圧縮されます。値上げが消費者に浸透した状態で仕入れ原価が下がるため、2026年は「売価据え置き×原価低下」による売上総利益率(粗利率)の急拡大が現実のものとなりつつあります。
さらに、円安デメリット銘柄比較の観点からも資金移動が顕著です。海外売上比率が7割を超える大手自動車メーカーや機械株では為替差益の剥落が警戒される一方、低PBR(株価純資産倍率)に放置されていた内需株へのリバランス(資産再配分)買いが活発化しており、相場全体の物色対象が明確に転換しています。