なぜ工場が閉鎖されてから月日が経過しても「福岡にヤクルト工場がある」と信じ込む人が絶えないのでしょうか。そこには、一般消費者が陥りやすい組織構造上の盲点が存在します。
福岡県内には、「福岡ヤクルト販売株式会社」をはじめとする地域販売会社のオフィスや配送デリバリーセンターが多数点在しています。街中で「ヤクルト」の看板を掲げた事業所を見かけたり、ヤクルトレディの配達バイクを目にしたりする機会が日常的であるため、一般の生活者は「近くにヤクルトの大きな拠点がある=工場もあるはずだ」と無意識に同一視してしまうのです。
また、過去の学校教育や地域広報誌に掲載された社会科見学の古い記録がネット上にデジタルアーカイブとして残り続けていることも、誤解を長引かせる一因となっています。「販売拠点」と「製造工場」は完全に機能が異なっており、福岡県内の販売営業所では一般向けのライン見学や教育ツアーは一切受け付けていません。