もちろん、拡散のスピードを加速させたのはSNSの存在だ。しかし、これまでの「数日で忘れ去られるバズ」とは明らかに手触りが異なっている。短尺動画で切り取られた断片が消費されるだけでなく、その背景にある文脈や空気感ごと、長く愛でられる傾向が強い。
ユーザーたちは単に面白がるだけでなく、自らの日常の失敗談や、ちょっとした愚痴にこのエッセンスを添えて投稿する。まるで「今日もうまくいかなかったけれど、まあいいか」と自分を許すための合言葉のように。消費されるのではなく、生活の中に溶け込んでいく。これこそが、ブームを超えたカルチャーへと昇華しつつある証拠だろう。