地上波で放送されているにもかかわらず、TVerで配信されない理由には、放送局と制作プロダクションの間で交わされる法的な権利処理が深く関わっています。利用者の間で頻繁に疑問視される3つの主要因を解説します。
第1の要因は、音楽著作権および肖像権のクリアランス問題です。過去のアーカイブ映像や海外アーティストの楽曲、大規模な音楽特番などは、ネット配信用の二次利用許諾料が地上波放送の許諾料よりも高額になる傾向があります。予算や権利許諾の都合上、地上波放送は可能であっても「ネット見逃し配信の権利は取得しない」という制作判断が下されます。
第2の要因は、ローカル局の番組編成と配信コストの兼ね合いです。地方ローカル局が制作する人気番組の中には、TVerへの配信サーバー運用費や広告収益の分配比率を考慮した結果、自社独自のローカル配信プラットフォームやYouTube公式チャンネルでの配信を優先するケースが存在します。
第3の要因は、他社有料配信プラットフォームとの「独占配信契約」です。特定の映画、大型スポーツ中継、あるいは一部の深夜ドラマは、有料VODサービスが巨額の制作出資を行って独占包括契約を結んでいるため、無料広告型プラットフォームであるTVerには配信枠が割り当てられません。