医療現場の事実とは裏腹に、日常生活において「安産型だね」と声をかけられる女性たちはどのように感じているのでしょうか。大手ポータルサイトの知恵袋、女性向け掲示板(発言小町等)、SNS(X・Instagram)に寄せられた数百件の生の声とアンケート調査を検証すると、発言者と受け手側の深刻な心理的断絶が浮き彫りになります。
インターネット上のリアルなコミュニティでは、次のような赤裸々な手記や体験談が目立ちます。
「義母から初対面のときに『お尻がどっしりしていて良い安産型ね、跡継ぎを頼むわ』と笑顔で言われ、自分の体を子どもを産む道具のように値踏みされた気がして強い嫌悪感を抱いた」(30代前半・既婚女性の手記より)
「職場の年配上司から飲み会の席で『君は安産型だから将来安心だな』とからかわれた。悪気がないのは分かっていても、性的なニュアンスを含んだ体型いじり(セクハラ)以外の何物でもない」(20代後半・会社員の声)
「昔から周囲に安産型と言われ続け、自分でも『お産は軽いだろう』と思い込んでいた。ところがいざ出産になると微弱陣痛と回旋異常が重なり、36時間の難産となった末に緊急帝王切開に。『安産型なのに産めないなんて』と勝手に自分を責めてしまい、産後うつの引き金になった」(30代後半・経産婦の手記より)
安産型と言われた心理を分析すると、言われた側の多くは「太っている・下半身デブと婉曲に言われた屈辱感」や「プライベートな生殖機能に踏み込まれた不快感」、さらには「難産だった場合にプレッシャーを感じる重圧」を抱えています。
一方で、発言者側の心理は「健康的な骨格を褒める昔ながらの社交辞令」「悪意のない親愛の情の表現」であることが多く、この認識の非対称性こそがトラブルの根本原因となっています。