発売から年数が経過してもリスナーの涙腺を刺激し続ける理由には、高度に計算された楽曲構造が存在します。
第一に挙げられるのが、ケツメイシ さくら コード進行の美しさです。西洋音楽のクラシック「パッヘルベルのカノン」に代表されるカノン進行をベースに、切なさを強調するテンションコードを絶妙に配置。日本人が本能的に「懐かしさ」や「哀愁」を感じるコードワークが、聴く者の情緒を無意識のうちに揺さぶります。
第二に、メンバー4人の完璧な歌い分けです。 楽曲の要となるサビパートでは、RYOJIによるファルセットを交えた切なく透明感のあるボーカルが響き渡り、聴き手を一気に物語の世界へ引き込みます。これに続くAメロ・Bメロでは、RYOの語りかけるような叙情的なラップと、大蔵の力強く情熱的なフロウがコントラストを描き出します。DJ KOHNOが生み出す温かみのあるオーガニックなトラックが全体を優しく包み込み、4人の個性が一つの芸術品として昇華されています。
特にケツメイシ さくら ラップ 歌詞における押韻の妙は見事で、「咲いた」「抱いた」「咲き誇る」「君の残像」など、母音の一致だけでなく言葉の持つ情景美を損なわないライミングが施されています。感情の昂ぶりとともにテンポよく紡がれる言葉が、胸に迫る切なさを倍増させています。