選択肢問題で学習者を悩ませるもうひとつの壁が、no matter what との違いです。両者はどちらも「たとえ〜でも」と訳されることが多いため混同されがちですが、文法的なアプローチは完全に異なります。
判断の決め手となるのは、「何を修飾・補完しているか」という品詞の働きです。
- no matter how:「程度・様態(どれほど〜か)」を問うため、直後に形容詞または副詞を必要とする(副詞的性質)。
- no matter what:「事物・内容(何が/何を〜か)」を指すため、節内で主語・目的語・補語のいずれかを担当する(名詞的性質)。
次の2つの例文を比較すると、その構造差が一目瞭然です。
【例文A(how)】
No matter how rich he becomes, he is never satisfied.
(たとえ彼がどんなに裕福になろうとも、決して満足しない)
→ rich(形容詞)の「程度」を表しているためhowが正解。
【例文B(what)】
No matter what happens, I will stand by you.
(たとえ何が起ころうとも、私はあなたの味方でいる)
→ happensの「主語」として機能しているためwhatが正解。